この記事では、EXCELで差込印刷する方法について説明します。
しかも、入力している情報から「選択した行のみ」を対象として、差込印刷します。
差込印刷とは、年賀状の宛名書きをイメージしてもらえるとわかりやすいです。
決まったレイアウト(はがき)に送りたい人それぞれの郵便番号、住所、氏名を書き込みし、印刷します。
この差込印刷を作成するには、以下の3つを用意する必要があります。
- 印刷する人の情報一覧
- 決まったレイアウト
- VBA(差込印刷する機能を作成する必要があります。)
それでは、EXCELで差込印刷(選択した行のみ)していきましょう。
困っている女性
困っている女性
解決する男性
困っている女性
◆他のEXCEL差込印刷の記事は、以下から参照してください。
【EXCEL:VBA】差込印刷したい(VBAを変更せずに差込位置を変えたい)
◆似たようなことができる差込PDFの記事は、以下から参照してください。
【EXCEL:VBA】差込PDFを作成したい(VBAを変更せずに差込位置を変えたい)
【EXCEL:VBA】差込PDFを作成したい(VBAを変更せずに差込レイアウトを変えたい)
差込印刷(選択した行のみ)に必要なものを、1つ1つ順番に説明していきます。
もくじ
1.差込印刷する人の情報一覧を準備する
今回はサンプルとして、「従業員番号」、「氏名」、「生年月日」の3つのデータを利用して差込印刷を作成する方法を説明します。
「差込データ一覧」シートを作成する
- 「差込データ一覧」という名前のシートを作成します。
- 1行目に「従業員番号」、「氏名」、「生年月日」、「選択」のタイトル行を作成する
- 2行目以降には、実際に差込印刷したいデータを入力します。
- 差込印刷したい対象データ行の「選択」に1を入力します。(1でなくても、○でもOKです。)
2.決まったレイアウトを準備する
今回はサンプルとして、「従業員番号」、「氏名」、「生年月日」を差し込むレイアウトを作成しました。
「ひな形」シートを作成する
- 「ひな形」という名前のシートを作成します。
- 5行目にタイトル行を作成します。今回のサンプルでは、「従業員番号」、「氏名」、「生年月日」になります。
- 6行目には、差込する値を表示する欄を用意します。
※レイアウトは、好きにアレンジしても良いですが、後ほど説明するVBAも変更する必要があります。
3.VBAで差込印刷する機能を記入する
「Microsoft Visual Basic for Applications」を起動します。
標準モジュールを追加して、以下のソースを書きます。
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'メイン処理 Public Sub MainProc() Dim nowRow As Integer nowRow = 1 With ThisWorkbook.Sheets("差込データ一覧") Do While True '①現在行を次の行に変更する nowRow = nowRow + 1 '②従業員番号が空なら、ループを抜ける If .Range("A" & nowRow) = "" Then Exit Do '③選択に値が入力されていれば、差込する If .Range("D" & nowRow) <> "" Then '④必要なデータをひな形に入力する ThisWorkbook.Sheets("ひな形").Range("B6") = .Range("A" & nowRow) '従業員番号 ThisWorkbook.Sheets("ひな形").Range("C6") = .Range("B" & nowRow) '氏名 ThisWorkbook.Sheets("ひな形").Range("D6") = .Range("C" & nowRow) '生年月日 '⑤ひな形シートを印刷する ThisWorkbook.Sheets("ひな形").PrintOut End If Loop End With MsgBox "完了" End Sub |
最後にEXCELを「◯◯◯.xlsm」というような感じでマクロ有効ブック形式で保存します。
4.差込印刷の動かし方
それでは、差込PDFの動かし方を説明します。
「開発」タブの「マクロ」をクリックします。
先程作成した自作関数「MainProc」が一覧に表示されていますので、選択します。
次に、「実行」ボタンをクリックして差込印刷を実行します。
しばらく待つと、選択に1を入力した行を対象に、印刷物が3つ作成されます。
うまく動きましたか?
次は、あなたの好きなレイアウトで、好きな情報を用意して、差込印刷を作成してみましょう。
5.差込印刷のVBAプログラムの説明
それでは、差込レイアウトや表示させたい情報を変更できるようになるため、VBAプログラムを説明します。
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'メイン処理 Public Sub MainProc() Dim nowRow As Integer nowRow = 1 With ThisWorkbook.Sheets("差込データ一覧") Do While True '①現在行を次の行に変更する nowRow = nowRow + 1 '②従業員番号が空なら、ループを抜ける If .Range("A" & nowRow) = "" Then Exit Do '③選択に値が入力されていれば、差込する If .Range("D" & nowRow) <> "" Then '④必要なデータをひな形に入力する ThisWorkbook.Sheets("ひな形").Range("B6") = .Range("A" & nowRow) '従業員番号 ThisWorkbook.Sheets("ひな形").Range("C6") = .Range("B" & nowRow) '氏名 ThisWorkbook.Sheets("ひな形").Range("D6") = .Range("C" & nowRow) '生年月日 '⑤ひな形シートを印刷する ThisWorkbook.Sheets("ひな形").PrintOut End If Loop End With MsgBox "完了" End Sub |
①現在行を次の行に変更する
ここでは、現在行を次の行に変更するため、変数「nowRow」に格納している値+1を、変数「nowRow」に格納しています。
ループ処理の外側で、変数「nowRow」には1が格納されています。
差込データは、2行目から入力されているので、ループ処理の内側に入ったときに変数「nowRow」を+1して、2を格納します。
もちろん、ループしてくると、さらに+1されて3が格納されます。
というように、対象行を2行目から順番に処理することになります。
②従業員番号が空なら、ループを抜ける
ここでは、A列(従業員番号)の対象行に値が入力されているかチェックしています。
変数「nowRow」に2が格納されている場合、セルA2に値が入力されているかチェックします。
従業員番号が入力されていない行が見つかると、差込印刷処理を終了します。
③選択に値が入力されていれば、差込する
ここでは、D列(選択)の対象行に値が入力されているかチェックしています。
変数「nowRow」に2が格納されている場合、セルD2に値が入力されているかチェックします。
選択が入力されている場合、差込印刷処理を実行します。
選択が入力されていない場合、次の行に処理が移ります。
④必要なデータをひな形に入力する
ここでは、「ひな形」シートの各セルに、「差込データ一覧」シートの該当行の値をセットしています。
具体的には、「ひな形」シートのB6セル(従業員番号)に、「差込データ一覧」シートのA列(従業員番号)の対象行の値をセットします。
次に、「ひな形」シートのC6セル(氏名)に、「差込データ一覧」シートのB列(氏名)の対象行の値をセットします。
最後に、「ひな形」シートのD6セル(生年月日)に、「差込データ一覧」シートのC列(生年月日)の対象行の値をセットします。
ひな形シートのレイアウトを変更したい場合、上記のセル番地を変更したセル番地に変更する必要があります。
⑤ひな形シートを印刷する
ここでは、「ひな形」シートに入力された値(差込された値)で、印刷を実行します。
以上です。
最後まで読んでいただきありがとうございました。
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